米ナショナル・インタレスト誌のハリー・カジアニス編集主幹が、エアシーバトル上級運営グループのトップ、ジェームズ・G・フォッゴ3世少将にインタビューした。フォッゴ少将は現在、海軍作戦部作戦・計画・戦略担当次長の任にある。

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カジアニス:この数年、エアシーバトル(ASB)と呼ばれる作戦構想(OC)について、活発な議論がなされてきました。今でも、ASBに関しては盛んな議論があります米軍、特にあなた自身と海軍全体が、ASBについてオープンかつ率直に語るように務めてきました

 この機会に、本誌の読者に対して、ASBとは何か、米軍の今後においてどのような地位を占めるのか、ASBの正確な理解がなぜ重要なのかを説明していただけますか?

例外なく応用可能な作戦構想、目的は集団的戦闘能力の向上

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フォッゴ少将:ASB構想は、簡単に言うと、顕在化しつつある「接近阻止・領域拒否(A2AD)」の脅威に対抗し、公海における航行の自由を守るための一連の理念を示したものだ。

 ASBには、米軍の権限内における統合部隊に対する人員、訓練、装備の配置について、戦闘教義、組織、訓練、装備品、指揮官、兵站のさらなる向上を図る方策が含まれる。

 作戦構想は、軍の能力を使用し、戦争の作戦レベルで特定の目的を達成する手法や作戦案を記述する。エアシーバトル構想の最重要目的は、「グローバルコモンズ(公海などの国際公共財)における行動の自由を獲得し、維持する」点にある。エアシーバトル構想は戦略ではない。一方、戦略とは、紛争を未然に防いだり、一定の範囲に封じ込めたり、勝利したりするなど、特定の最終目標ないし終局状態を達成するための方法や手段を表す。

 エアシーバトル構想では、台頭しつつある技術上の脅威に直面する中での戦力展開がテーマだ。海軍レベルで、我々は「事前統合型」統合部隊の構築を目指している。これは米国の戦闘部隊指揮官に対し、同盟国やパートナーとともに、陸海空およびサイバー空間をまたぎ、協調的かつネットワーク化された形で交戦を行う権限を与えるものだ。従って、この目的は、集団的戦闘能力の向上にある。

 エアシーバトルは、特定の敵国や地域に焦点を当てるものではない。あらゆる地理的な場所に例外なく応用可能であり、いつ、どこで、どのような形かを問わず、直面するアクセス脅威に対応するものだ。

 さらに先に話を進めるにあたって、重要な点として、「ASB構想・実践」プロセスは、全軍においてそれぞれの人員配置、訓練、装備のやり方に影響を与えている点に言及しておく。

 こうして我々は統合部隊を一から作り上げようとしている。この部隊は肝心な時に肝心な場所でアクセスを確保する能力を持ち、必要ならば機動力と信頼性を備えた戦闘部隊を即座に送り込む態勢を整えている。これがABS構想の重要ポイントの1つであり、この構想を明確に理解することが重要とされる理由でもある。

防衛予算がカットされている時代に実行可能なのか?

カジアニス:もう少しASBについて伺います。動き出したばかりのこのOCの経費を憶測する記事が立て続けに出ています。中には、2023年までのASBの総経費が5000億ドル以上に達するという報告に触れた記事もあります。確かにこれらの数値には議論の余地がありますが、防衛予算が厳しく制約されている今の時代に、ASBは予算的に実行可能なのでしょうか?

フォッゴ少将:G2ソリューションズの報告書は、全軍は2023年末までにASB戦闘能力に5245億ドルを費やす見込みだと主張している。その経費の半分以上(53%)は、統合打撃戦闘機(JSF)計画のみに投入されるものだ。確かにJSFは対A2AD戦闘能力を向上させるが、JSF計画そのものはASB構想のはるか前から存在する。JSFなどにかかるコストについて、ASBが唯一の要因だと述べるのは間違った位置づけだ。