昨日、米アマゾン・ドットコムが音楽のストリーミング配信サービスを始める計画だと伝えられたが、今度は米アップルが同社のサービス「アイチューンズラジオ(iTunes Radio)」の利用者拡大に力を入れているとの報道があった。

 米9to5Macによるとアップルは、このサービスを独立したアプリケーションとして提供することを検討しているという。

有望サービスはアプリに「昇格」

米アップル、新基本ソフト「iOS7」と新音楽配信サービス「iTunes Radio」を発表

2013年のアップルの定例開発者会議(WWDC)で「iTunes Radio(アイチューンズラジオ)」について説明するインターネットソフトウェア・サービス担当エディ・キュー上級副社長〔AFPBB News

 昨年9月に米国で始まったアイチューンズラジオは、アップルのモバイル端末とパソコン向けに提供されているが、アイフォーン(iPhone)やアイパッド(iPad)などのiOS端末では、「ミュージック」アプリの中の1つの機能という扱いだ。

 アップルは今年の秋に次期モバイルOS「iOS 8」を公開すると見られているが、9to5Macは事情に詳しい関係者の話として、アップルはラジオアプリのプリインストールを計画しており、現在そのテスト作業を行っていると伝えている。

 アプリをホーム画面に表示すれば、より迅速にサービスにアクセスできるようになる。これにより同社は利用者と広告収入を拡大できると9to5Macは伝えている。

 アップルでは、これまで様々な機能を音楽アプリから独立させたという経緯がある。例えば iOS 5 時代には、映画やテレビ番組、音楽ビデオを再生する機能を「ビデオ」アプリに移行した。また iOS 6 時代には「ポッドキャスト」と、大学の講座/教材コンテンツを配信する「アイチューンズU」を切り離し、それぞれ単独アプリとして提供した。

 モバイル端末はパソコンと異なり、表示画面が小さい。そのため同社が成長を見込めると判断した、あるいは後押ししたいと考えるサービスは、単独アプリに「昇格」させ、露出を増やし利用増大を図る。これまでの経緯から同社はこうした戦略を取るのではないかと見られている。