宇宙人というのはどんなイメージなのだろう。背が低く頭でっかちで手足が妙にひょろ長い・・・。そんなイメージがあるのは、ハリウッド映画の影響が大きいからだろう。

 だが、最近韓国で最終回を迎えた韓流ドラマ「星から来た君」に登場する宇宙人は、背も高く頭は「超」がつくほど小さく手足は長い今どきのイケメンである。

「1608年に未確認飛行物体が見えた」記録を頼りに物語化

 SBS局ホームページの物語紹介を見ると、「400年前に地球に落ちてきた宇宙人ト・ミンジュンと高飛車な女で韓流女優トップスターのチョン・ソンイの奇跡のような甘いロマンス」となっている。21部作で2014年2月27日の最終視聴率は、28.1%と高視聴率をマークした。

 この宇宙人の設定は、朝鮮時代の王様である光海君(クァンヘグン: 1575~1641年)が王位を継承した元年(1608年)に1度だけ空に未確認飛行物体が見えたという記録が残っていることから生まれたという。

 これまであまり知られなかった史実だが、そのちょっとした題材を大きく膨らませ物語を作り上げた作家の創造力は素晴らしい。

 だが、ドラマが始まったばかりのところで「待った」がかかった。その設定、すでに漫画家の偉い先生が「私が先にアイデアを出して、作品にもなっている」と言うのだ。

 漫画家のカン・キョンオク先生が2008年度に「ソルヒ」の単行本を出版しており、すでに10冊目を出版しようとしていた。

 しかし、ドラマ作家は「『ソルヒ』という作品は読んだことがない」、制作会社は「盗作なんてあり得ない」と全否定。そこで、カン先生は著作権侵害に関する訴訟に踏み切ると断言し、こう言い放った。

 「朝鮮時代の『光海君日記』に出てくる文書は、江原道に現れた未確認飛行物体に関する記録で、これだけが歴史的な記録として誰でも使えるコンテンツである。同記録をもとに作られた作品はこれまで5作品があるが『ソルヒ』と『星から来た君』のストーリー構成だけが重なっている」

 「重なっていいのは朝鮮時代に出現したUFOと宇宙人だけのはずなのに、『星から来た君』は400年間生きながらえたという設定や前世との関係、因縁、芸能人、血液や唾液、12年前に救助してから成長した後の出会い、幼友達との三角関係、養父のような助力者など、ストーリーの展開までも酷似している」