中国がいま最も開発に力を入れているのが海南島だろう。東洋一どころか世界一の高級リゾートを目指して、島中、槌音が絶えないようである。

 残念ながらまだ訪れたことがないが、日本人の金持ちとは桁違いの金持ちを相手にするリゾートのようで、客は大型のプレジャーボートを持っているのが当たり前だとか。

1泊75万円のホテルが満室、1坪300万円の土地が即日完売

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 その超高級ぶりについては今年2月、このサイトでも紹介した(「中国で着々と建設進む“ハワイ島”」)。

 正月には1泊75万円にもなる宿泊料、1坪300万円以上する土地が即日完売する様は、デフレに慣れ切った日本人には異様に映った。

 その海南島は実は全く別の顔を持つ。中国きっての海軍基地があるのだ。中国が約60隻を保有していると言われる原子力潜水艦も多くがここを母港としているようだ。

 最高級のリゾート地と重要な海軍基地。そして、海南島の位置を地図でよく見ると絶妙なところにあることに気づく。

 黄海に腰を突き出したようなインドシナ半島に対して、その首根っこを押さえるかのように、ど~んと居座っている。

 そして、インドシナ半島との間には、中国とベトナムが領有権を激しく争っている西沙諸島があり、その南には南沙諸島がある。

 さて、中国がなぜ海南島に超高級リゾートを作る気になったのか。何事にも世界一が大好きなお国柄であるからというのも確かにあるだろう。

 しかし、100年、200年、あるいは1000年の単位で戦略を練る中国らしい狙いが今回明らかになった。

 この記事「南シナ海は混沌の海に」が中国による衝撃的な事実を明らかにした。

 中国は、海南島とその南に広がる海域を観光目的地化するマスタープランを発表した。それによると、西沙、南沙諸島をはっきりと中国海南省の行政権に組み入れたうえ、中国国民の希望者に対し、西沙海域に散らばる無人島の占有権を、中国当局に申請、登記するよう促しているというのだ。