ほぼ半年間に及んだ米マイクロソフトの最高経営責任者(CEO)選びがようやく決着した。マイクロソフトは4日、同社でクラウドサービスや企業向け部門を率いてきたエグゼクティブバイスプレジデント(上級副社長)のサトヤ・ナデラ氏(46歳)を新CEOに任命したと発表した。
今後の経営はゲイツ氏を入れた三頭体制に
ナデラ氏は即日CEOに就任し、マイクロソフトの取締役会にも加わった。またこれに伴いビル・ゲイツ氏がナデラ氏を支える「技術アドバイザー」のポストに就くため、会長職を退いた。新会長には、これまでCEO選定委員会の委員長を務めてきたジョン・トンプソン氏が就任した。
ゲイツ氏は、自身が使える3分の1の時間をマイクロソフトの仕事に充てるとしており、これまで以上に経営に関わっていく意向だ。
ただ、マイクロソフトの経営は今後、ナデラ新CEO、ゲイツ氏、トンプソン会長の三頭体制になる。さらにスティーブ・バルマー前CEOも取締役会にとどまる。
ゲイツ氏とバルマー氏はともにマイクロソフトの大株主。こうした状況で、ナデラCEOにはどれだけの自由裁量があるのだろうかと、疑問の声が上がっている。
マイクロソフトの発表によると、ゲイツ氏に技術アドバイザーとしての役割を依頼したのはナデラ新CEO。だが米ウォールストリート・ジャーナルはマイクロソフトの事情に詳しい関係者の話として、このポストにはゲイツ氏自身の意向もあったと伝えている。
バルマー氏退任の発表以降、活動増やしていたゲイツ氏
同氏は1975年にポール・アレン氏とマイクロソフトを創業し、2000年までCEOを務めた。その後は、会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトとして2008年まで常勤職を続けた。
それ以降のゲイツ氏は定期的にマイクロソフトの本社に現れ、製品評価や技術戦略の会議に出席していた。関係者によると、同氏は自身のおよそ2割の時間をマイクロソフトに割いていた。