ニッケイ新聞 2014年1月3日

 2014年、ついにW杯開催の年を迎えたブラジル。リオ・デ・ジャネイロには昨年末、年越しを海岸の花火を見て過ごそうと200万人以上が訪れたが、同市では世界中から観光客を迎える準備がまだまだ不足しているようだと1日付ヴェージャ誌が報じた。

 1月1日。同市の主要観光スポットであるポン・デ・アスーカル、コルコバードの丘に建つキリスト像を訪れた観光客からは、雑然とした長蛇の列、情報不足、英語が話せる職員がいないことに不平の声が相次いだ。

 1日は、朝からコルコバードの丘まで登る列車に乗るのに、少なくとも1時間待つ必要があった。しかも乗車賃は1日から46レアルから50レアル(約2190円)と8.7%の値上げ。その前日、つまり大晦日はもっとひどい状態で、訪れた人は最長4時間待ちを余儀なくされた。

 年末年始をリオで過ごそうとサンパウロから訪れた30代夫婦は、「キリスト像とポン・デ・アスーカルに行くのに、2人で200レアルもするのは高すぎる。しかも、ホテルによっては一泊2500レアルもする」と驚きを隠せない様子。また、高級ホテルではないごく一般のホテルでも、一泊料金に400レアルとられて驚いたという声もある。

 先述の夫婦が言うように、W杯開催期間中の6~7月、リオのホテルの料金は値上がりする見込みで、ブラジル・ホテル業協会(ABIH)によれば180~650ドルの価格帯となるようだ。

 2012年6月の「リオ+20」開催期にはホテルの料金が適正価格をはるかに超え、各国の訪問団を驚愕させたばかりか、世界のメディアが“搾取的”と取り上げた。

 ホテルの料金が制限なく高騰すれば、市は逆に損失を被る。この教訓を生かしてか、今回の場合、市場が大部分で料金をコントロールしているという。