かねて報じられていた米アップルと中国移動(チャイナ・モバイル)の提携が、12月22日に正式発表された。これにより、7億人超の加入者を抱える同国最大の携帯電話会社が、アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」を取り扱うことになる。
1月に「iPhone 5s」「iPhone 5c」を発売
アップルによると、中国移動の販売店とアップルの直営店は1月17日からアイフォーン5sと同5cを発売する。これに先立ち中国移動は12月25日からウェブサイトと電話で両モデルの予約注文を受け付けるという。
中国移動版のアイフォーンは、同国独自の3G(第3世代)通信技術「TD-SCDMA」と、先頃中国工業情報省が、中国移動を含む国内3キャリアにライセンスを付与した4G通信技術「TD-LTE」のネットワークに対応する。
このうち4G通信について、中国移動は年内にも北京、上海、広州、深センなど16都市でサービスを開始する予定だ。さらに2014年末までには50万超の4G基地局を設置し、340都市をカバーするとしている。
アップルによると中国移動は現在、2G、3G、4Gを合わせて約120万の携帯電話基地局を持っている。つまり、中国移動は今後1年間でそのほぼ半分の規模の基地局を刷新、あるいは新設し、急ピッチで4G化を進めることになる。
米ブルームバーグによると、中国では新規に購入される携帯電話の9割がスマートフォンという状況。そうした中、中国移動はアイフォーンを取り扱っていない最後の主要キャリアの1つと言われており、アップルは今回の提携で、アイフォーンの販売増を期待しているという。
10月の中国販売台数シェアで3位に浮上
先頃、香港の市場調査会社、カウンターポイントテクノロジー・マーケットリサーチがまとめた中国スマートフォン市場の調査によると、今年10月の同国におけるメーカー別販売台数シェアは、韓国サムスン電子がトップで、2位は中国レノボグループ(聯想集団)。
アップルが3位に入り、この後、中国・酷派(クールパッド)、中国・華為技術(ファーウェイ)、中国・中興通訊(ZTE)と続いた。