フィンランドのノキアは19日、同日開催した臨時株主総会で、同社とマイクロソフトが締結した、マイクロソフトへの携帯電話事業の売却契約について、株主の承認が得られたと発表した。
同日行った株主投票では、投票総数の99%以上が取締役会の提案への賛成票だった。これにより、今後規制当局の承認などを得て、来年1~3月期にも買収が完了する見通しという。
「赤字事業を良い価格で売却できる」
ノキアの取締役会会長で、現在暫定最高経営責任者(CEO)を務めるリスト・シラスマ氏は、この日出した声明文の中で「ノキアの約150年の歴史の中で次の章の始まりとなる手続きが完了に近づいた」と述べている。
また米ウォールストリート・ジャーナルは、同氏が株主総会で「ノキアは赤字事業を良い価格で売ることができる」と述べたと伝えている。
携帯電話を手がけるノキアの「デバイス&サービス」事業をマイクロソフトが買収すると両社が発表したのは今年の9月。
この部門の売上高は、ノキアの全売上高の50%超を占める主力事業。だが今年7~9月期の営業損益は、8600万ユーロの赤字。スマートフォンの売上高は1年前から28%増加したが、従来型携帯電話は同37%減少。これにより同事業の売上高は同19%減少した。
先ごろ米ガートナーがまとめた市場統計によると、7~9月期の同社の携帯電話販売台数は1年前から23.4%減の6300万台となり、シェアは13.8%に低下した。同社は携帯電話の販売台数ランキングで韓国サムスン電子に次ぐ第2位。だが高価格のスマートフォン分野で後塵を拝し、シェアが激減している。