大容量瓶インスタントコーヒーに忍び寄る「絶滅」の危機

スティックタイプに生存戦略を見出すコーヒーメーカー

2013.11.15(Fri)佐藤 成美

 インスタントコーヒーは、濃縮したコーヒー液を乾燥し、粉末にしたものだ。製造方法には「スプレードライ方式」と「フリーズドライ」方式がある。スプレードライ方式では、高温の乾燥塔の中でコーヒー液を噴霧し、瞬間的に水分を蒸発させて粉末状にする。フリーズドライ方式では、コーヒー液を凍結させ、真空状態で昇華(固体が液体にならずに気体になること)をさせると大粒の粒子ができる。

 フリーズドライ方式の方が香りを保てるのに対して、スプレードライ方式では、粉末状になるため溶解しやすいなど、それぞれに特徴がある。メーカーはコーヒー液の抽出法や濃縮法から乾燥法まで、様々な工夫をこらし、良質なコーヒーの味や香りを再現してきた。

 スティックコーヒーでは、インスタントコーヒー技術に加え、様々な材料を混ぜ合わせ、均一にする技術が必要だ。まずは材料のバランスの良い配合を決めるが、材料ごとに物性が違うので、紛体を扱う工業技術が必要となる。同社は、均一に混ぜるために、流動性のよい材料を使い、また混合技術や充填技術を開発しているという。

“コーヒーからの脱皮”がインスタントの生存戦略

 レギュラーコーヒーがファストフード店やコンビニエンスストアでもこんなに身近に飲めるようになると、インスタントコーヒーの手軽さだけでは、もう消費者の要求を満たすことはできないのかもしれない。コーヒーメーカーのネスレは、「インスタントコーヒー」という名称をやめ、「レギュラーソリュブルコーヒー」に変えてしまった。インスタントコーヒーはもう時代遅れなのだろうか。

 次世代型インスタントコーヒーとして開発されたスティックコーヒーだが、それはコーヒーメーカーがインスタントコーヒー技術を継承しつつ、インスタントコーヒーよりステージアップすることを目指したものと言える。

 「いまも、紅茶やココアなどコーヒー関連の製品が出ていますが、今後はその幅をもっと広げていきたいと考えています」と金谷氏は話す。

 矛盾めいた話だが、スティックコーヒーが目指すのは、コーヒーの枠にとどまらずいつでもどこでも楽しめる国民的飲料に脱皮を図ることなのだ。高級豆を使った本格志向のコーヒーから小豆の粒を混ぜたおやつタイプの飲料まで、種類の幅を広げていくことが生存戦略となる。

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