9月8日に放送された『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では緊張が高まるシリア情勢について取り上げたほか、「21世紀の新冷戦構造」などをテーマに語った。
シリアの化学兵器使用問題が記憶を呼び起こす地下鉄サリン事件
中山 シリアの首都・ダマスカス近郊で先月21日に化学兵器が使われたとされる問題で、オバマ米政権が上院での非公開会合で上映した現場映像を、CNNが入手したと報じられました。
会合では13の異なる映像が上映され、中にはタイルの床に横たわってけいれんする男性や、激しい震えが止まらない子どもの姿などが映し出されたほか、部屋の中に子どもや大人の遺体が並ぶ場面もあるそうです。
オバマ政権はシリア政権が化学兵器を使用したとして軍事介入を主張し、議会への説得を進めていますが、このビデオからは攻撃したのがシリア政権側なのか、また軍事介入が適切な対応なのかどうか結論は出せないと伝えられています。
シリア政府側は化学兵器使用への関与を否定していますが、この映像を見るに私は神経ガスのサリンが使われた可能性は否定できないと思います。
またサリンといえば、1995年3月20日にオウム真理教が起こした「地下鉄サリン事件」を思い起こさずにはいられません。
当時、私は秘書官として永田町に勤務しており、その日は荷物があったため偶然車で出勤していました。首相官邸周辺に着くと、地下鉄通気口から大きなファンの音が鳴っていて、その前には体育座りでうずくまる人たちが見えました。
一体何事だろうと驚いていたところに秘書仲間から安否確認の連絡が入り、事件があったことを聞かされたのです。築地周辺は特に被害が大きく、道路が封鎖されて消防車による放水活動などが行われていました。私は事件の様子を目に焼き付けるべく、実際に現場に足を踏み入れたのを覚えています。
この事件は、大都市で一般市民に対してサリンが使用された史上初のテロ事件として世界中に大きな衝撃を与えました。事件後、都内の駅にある多くのゴミ箱が撤去されたり、中身が見える透明なゴミ箱が設置されるなどの対策が講じられています。