「怪しい」健康食品がますます増える?
消費者保護と逆行する機能表示広告の緩和

2013.08.09(Fri)白田 茜

実は緩い日本の制度、まずはルールづくりを

 日本の制度は諸外国に比べて厳しいのだろうか。

 上記のように米国とEUには健康食品を規制する法律が存在する。しかし、日本にはトクホと機能性食品以外に健康食品を規制する法律が存在しない。JAS法や食品衛生法など一般の食品のの表示に関わる法律で規制しているにすぎないのだ。

 上述したように、健康食品の製造工程管理(GMP)の取得は日本では任意にとどまる。2005年に厚生労働省が「GMPの取得が望ましい」とする通達を出し、2008年には「健康食品の安全性確保に関する検討会報告書」でGMPの取得が明示され、メーカーの取得も進んできた。しかし、日本には2つのGMPの認証団体が存在し、片方は簡単な審査で通るため国際水準に到達していないという指摘もある。米国ではGMPを取得していない健康食品は発売禁止になる。日本の制度は世界的に見て厳しくないと言える。

 拙速な機能性食品の規制緩和に、全国消費者団体連絡会は下記のような意見書を総理大臣・消費者担当大臣などに提出した。

 「規制改革会議は現行制度の『使い勝手の悪さ』を問題視し、より簡易に機能性表示を可能とする仕組みの整備を求めています。(中略)科学的根拠が不確かなものに表示を許せば市場は混乱し、消費者被害を拡大することになります。政府においては、科学的根拠をもった表示制度という観点から政策検討をすすめるべきであり、むしろ、根拠も不十分なままに体験談等による“健康増進に寄与するかのようなイメージ”だけで流通している『いわゆる健康食品』についての規制の強化を求めたいと思います」」

 健康食品の機能表示の禁止は、医薬品との区別を明確にして消費者を保護するためだった。消費者の安全を確保する責任を国が負わずに判断を自己責任にしてよいのか。

 今の状況では、規制を緩和させるよりも、むしろ科学的根拠のない広告宣伝や表示については取り締まりを厳格化する方向にすべきではないだろうか。

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