「怪しい」健康食品がますます増える?
消費者保護と逆行する機能表示広告の緩和

2013.08.09(Fri)白田 茜

 具体例を見ると、「母親が韓国で買った高麗人参の健康食品を 3カ月ほど飲んだ後、嘔吐が始まり入院した」「妊婦に良いという健康食品を飲んだら気分が悪くなった」「ダイエット食品を食べて体調を崩している」など。大規模な健康被害があった例では、中国製のダイエットサプリを飲んで120人が肝機能障害にかかり、うち2人が死亡したという。

 このように効果を誇張された製品や輸入品には注意が必要だ。特に輸入品の中には、故意に薬の成分を添加した製品がある。国の承認(認可)の網の目をくぐり抜けて輸入品は簡単に手に入ってしまう。

 厚生労働省によると「『食品です』と宣伝しながら、その製品中には薬の成分が含まれますので、添加された薬の含有量や種類によっては、重大な健康被害を受ける可能性があります」という。

健康食品には相互作用と過剰反応の危険性が

 健康食品には薬の効果を強めたり弱めたりする「相互作用」があるので、これにも注意が必要だ。例えば、納豆に多く含まれるビタミンKを、血液を固まりにくくする「ワルファリン」という薬の処方を受けている人が摂取すると、薬が効かなくなってしまう。

 また、成分を濃縮したサプリメントを服用すると過剰反応が出てしまうこともある。例えば、体に良いと言われているビタミンEも、過剰に摂取すると出血性脳卒中の発症率が高くなるという報告もあるという。代謝しやすい体質かなどは人により異なるため副作用に個人差もある。

 食品を普通に食べている限りこのような成分濃縮の危険性はあまり考えられないが、サプリなどで特定の栄養素を過剰に摂取すれば副作用が出てしまうおそれがある。

米欧では規制強化の方向へ

 海外の健康食品の規制はどうなっているのだろう。

 米国では、94年に「栄養補助食品健康教育法(DSHEA)」が制定された。日本で言うところのサプリメントを規制する法律だ。

 健康食品を製造するメーカーは製品発売後、連邦食品医薬品局(FDA)に届け出をし、「FDAによる評価を受けたものではありません」などと免責表示をすれば、メーカーの自己責任により機能性を表示できる。しかし、近年は米国全体で規制を強化する方向に変わってきており、2011年7月、FDAはダイエタリーサプリメントに関するガイドライン案を発表した。DSHEA制定後に販売されたサプリメントの素材について、販売者は安全性に関するデータを提示する義務を負う。さらに、FDAはサプリメントの工場査察を厳格化する方針だという。

 欧州でも規制は強化されている。EUでは欧州食品安全機関(EFSA)が科学的根拠を認めた「ヘルスクレーム」のみ流通を許可し、科学的根拠がない製品は表示を禁止している。2012年7月に申請されていた4637件のうち、長期間かけて有効性・安全性評価を実施し、68品目222件を認めたという。これまでヘルスクレームが認められなかった件数は1600件で、これらについては健康を強調した表示をして販売することがEU各国で禁止される。

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