2013年の夏休み。韓国の友人たちから「日本に行く」という話をあちこちで聞く。一方で、日本からの訪問者はずいぶん減ったような気がする。
統計を調べてみたら、日本→韓国の訪問者が激減し、韓国→日本の訪問者は急増している。このままいくと旅行客数の「日韓逆転」が5年ぶりに起きる可能性も出てきた。
明洞で聞こえてくるのは中国語ばかり
筆者のオフィスはソウルのど真ん中である明洞(ミョンドン)のすぐ近くにあり、毎日このあたりをうろうろしている。
夏休みシーズンで外国人を乗せた大型バスがすぐ近くのロッテ百貨店前にどんどん到着する。聞こえてくるのはほとんど中国語だ。
明洞と言えば、日本人観光客が主役だったが、日本語の張り紙や呼び込みに代わって、いまや圧倒的に目立つのが中国語だ。
毎年夏休みになると、ほぼ毎週のように日本から知人がやって来たが、最近はめっきりと減ってきた。南大門市場の中にあるなじみの土産店に行ってみたら、店員が「とにかく中国人ばかり。日本人にも、もっと来てほしい」と言う。
韓国政府の観光統計を見ると、はっきり分かる。
日本から韓国への訪問者数は、2012年上期(1~6月)は181万7043人で前年同期比30.2%増だった。ところが、2012年下期(7~12月)には170万1749人に激減した。前年同期比でも10.2%減だ。
2013年に入って、この傾向にさらに拍車がかかっている。上期の訪問者数は133万9155人へとさらに激減した。前年同期比では26.3%減だ。
代わりに目覚ましい勢いで増えているのが中国人だ。2013年上期の訪問者数は、173万5371人。前年同期比45.6%増だ。韓国での外国人観光客と言えば、長年、圧倒的に日本人が最大勢力だった。ところが、2013年上期の国別シェアは24%で、中国人(31%)が最大勢力に取って代わったのだ。
超円高の是正や竹島問題で日本人は韓国離れ
訪韓日本人数は2012年半ばまでは急増していた。
韓国政府の観光統計によると、訪韓日本人数の対前年同月比伸び率は2012年1月24.5%、2月33.0%、3月34.4%、4月35.7%、5月34.9%だった。
6月に18.6%に落ちてからは、一気に下落する。7月8.8%、6月6.6%となり、9月以降はマイナスになった。特に2012年10月以降は、ほぼ毎月、前年同月比で20~30%の減少となっている。