前回は、浮気をするリスクを取るべきか取らざるべきか、方程式を立てて考えてみました。今回は、浮気市場という特異な市場の特徴を見ていきましょう。この市場は恋愛や結婚市場と異なる点がいくつかあって、ここで自分を売るためには、これらの特徴を知っておくことが必要です。

二股をかけるのは男より圧倒的に女

 第1に、決定的に異なるのは、浮気に参加する女性の数が男性に比べて少ないだろうということです。

 図表8-1で示した通り、あらゆる世代において男性の方が浮気している人数が多いのですし、専業主婦の不倫数は、子育てに専念している分、それほど多くないだろうと推測されます。

 そのため、職場を通じて様々な浮気市場に参入しているサラリーマンは、1つの不倫が終わっても次の不倫をすることが可能であるので、男性の方が浮気市場で売買を行っている人数のみならず、延べ回数が圧倒的に多いと考えられます。

 数学上は売り手と買い手の数は必ず一致するので、浮気する男性がいれば、そのパートナーも延べ数にすると同数はいることになります。

 従って、男性が既婚者で不倫、女性側が本気というパターンが、浮気同士というパターンよりも総量としては多いのではないか、1人の女性が三股、四股かけている方が、男性の三股、四股よりかなり多いことが、論理的に推測されます。

恋愛均衡説が成り立たない市場

 この浮気する男女の数の差が需給関係に影響するため、浮気市場では「恋愛均衡説」(第3章参照)は働いていないことが分かります。

 恋愛均衡仮説の前提である男女数1対1という条件が崩れることにより、あまり魅力的でない女性でも魅力的な男性にモテているという状況になっています。

 浮気相手や不倫相手でもいいから付き合いたいという女性は、相手が既婚者であるという唯一の短所を除けば、かなり魅力的な男性から誘いを受けて、売り手市場になっている。他方、既婚男性は相当の妥協をせざるを得ない。

 結婚前は自分と釣り合う魅力度の高い女性との交際が可能だったとしても、浮気市場になるとなかなか難しいということになります。