中国の通信機器大手、ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)がフィンランド・ノキアの買収を検討していると報じられたばかりだが、今度は米マイクロソフトがノキアの携帯電話事業の買収を試みていたことが分かった。
19日付の米ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、マイクロソフトは今月までノキアと交渉していた。英ロンドンで行われた協議では、あと少しで口頭による合意に達するまで話が進んだ。だがこの話、その後行き詰まりをみせ、結局合意には至らなかった。今後協議が再開される可能性は低いという。
ウォールストリート・ジャーナルがその理由として挙げているのが、買収金額。これが折り合わなかったことに加え、ノキアのスマートフォン事業が低迷していることも理由の1つだという。
初のウィンドウズフォン端末発売から1年
そもそもマイクロソフトとノキアは蜜月関係にある。ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)兼社長はマイクロソフト出身。同氏がノキアの経営トップに就任した後の2011年2月に、ノキアとマイクロソフトはスマートフォン事業で提携した。
これはノキアがスマートフォンの旗艦モデルにマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズフォン」を採用し、マイクロソフトは巨額を投じて、マーケティングや開発を支援するというものだった。
こうしてノキアはウィンドウズフォン搭載の「ルミア(Lumia)」を同年11月に市場投入、マイクロソフトの協力を得て販売攻勢をかけた。だが、それから1年以上が過ぎた今年1~3月期、ウィンドウズフォンの世界販売台数は598万台という結果だった。
これに対し米グーグルのアンドロイド搭載スマートフォンの販売台数は1億5618万台。シェアはウィンドウズフォンが2.9%、アンドロイドは74.4%。またノキアの世界スマートフォン市場における販売台数シェアの順位は昨年10~12月期の8位から1~3月期は10位に後退した。