6月18日の英フィナンシャル・タイムズの報道によると、中国の通信機器大手、ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)はフィンランド・ノキアの買収を検討しているという。
同社の消費者向けビジネス部門を統括するリチャード・ユー氏が、フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、「我々はこの種の買収を検討している。(ノキアとは)相乗効果が見込める。だがそれはノキアの意向次第。我々は柔軟な姿勢だ」と述べたという。
フィナンシャル・タイムズが関係者から得た情報によると、今のところ、ファーウェイとノキアの間で具体的な話が進んでいるわけではない。だが幹部のこうした強気のコメントは、ファーウェイというメーカーが世界のスマートフォン市場で急成長し、自信をつけていることの表れ。
同社が韓国サムスン電子や米アップルに挑み、トップメーカーの地位を狙っていることを示していると同紙は伝えている。
世界最薄のスマホを市場投入、高機能モデルで攻める
ファーウェイは同日英ロンドンで、スマートフォンの新モデル「アセンド(Ascend)P6」を発表した。これは本体の厚さが、アップルの「アイフォーン5」やサムスンの「ギャラクシーS4」よりも薄い6.18ミリメートルで、世界最薄をうたった製品。
これまで低価格なフィーチャーフォン(従来型携帯電話)や、通信事業者向けブランドの端末を手がけてきた同社だが、今後はこうした自社ブランドのプレミアム製品に力を入れ、世界のスマートフォン市場に打って出たい考えだ。
市場調査会社の米IDCのリポートを見ると、昨年10~12月期の同社のスマートフォン出荷台数は1080万台で、出荷台数の順位はサムスン、アップルに次いで3位。ファーウェイの1年前に比べた出荷台数の伸び率は89.5%と、上位5社の中で最も高い。