米グーグルのモバイル基本ソフト「アンドロイド(Android)」を搭載する端末を多く手がける韓国サムスン電子はますます巨大化しており、グーグルの脅威になりつつある――。米ウォールストリート・ジャーナルが25日付の記事でこう報じている。
同紙は、両社の関係に詳しい人物の話として、グーグルはウェブ検索広告による収入のうち、10%をサムスンに支払ってきたが、ここ最近になってサムスンがこの割合を引き上げるようグーグルに示唆したと伝えている。
「モトローラの買収は一種の保険」
グーグルとサムスンはアンドロイド端末のパートナー企業。共通のライバルである米アップルから市場シェアを奪おうと、ともに協力してきた関係だ。これが奏功してか、アンドロイド搭載スマートフォンの出荷台数は昨年1年間で4億9710万台となり、アイフォーン(iPhone)の3.6倍に達した。
米IDCによると、昨年出荷されたアンドロイド搭載スマートフォンのうち、サムスン製端末が占める割合は42%。この高いサムスンのシェアは同OSを採用するほかのメーカーを大きく引き離している。
こうしてサムスンの勢力が拡大する中、グーグルに対する影響力も高まっており、グーグルはこれをリスクと捉えるようになっているという。
ウォールストリート・ジャーナルは、グーグルがモトローラ・モビリティを買収した理由について、「サムスンのような端末メーカーがアンドロイドに対して力を持ちすぎないようにするための安全策で、一種の保険のような役割を果たす」とアンドロイドOS部門のトップを務めるアンディー・ルービン氏が語ったと伝えている。
こうしたグーグルに対するサムスンの脅威は、投資銀行など外部のオブザーバーも認識しだしているようで、両社の関係は最近、その性質が変化してきたという。