米フェイスブックは15日、「グラフ検索(Graph Search)」と呼ぶ新たな検索機能を発表した。
「人」「写真」「興味」「場所」といった項目を対象に自然な言葉で検索すると、瞬時に検索結果が画面に表示されるというもので、検索の使い勝手が大幅に向上するという。
10億人超の利用者情報を活用するソーシャル検索
例えば「出身地が同じでサイクリングが好きな人」「ニューヨークの友達の写真」「家族が行ったことがあるロンドンのレストラン」「友達がいいね!と言った音楽」などと検索すると、人物や写真の一覧、レストラン情報、音楽情報のリストが画面に現れる。
「10億人を超えるユーザー、2400億枚以上の写真、1兆以上のつながりを有効利用するための検索機能で、ウェブ検索とは大きく異なる」というのが同社の売り文句だ。
当初は試験運用し、米国の一部の利用者を対象に英語版だけで提供するとしているが、すでに日本語の案内も公開しており、フェイスブックは世界各国にこのサービスを広げていきたいようだ。
フェイスブックは現時点で、このサービスのビジネス展開や、モバイル端末でのサービス展開については明らかにしていない。だが、米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアはさっそく、米グーグルなどの検索エンジンへの脅威になると伝えている。
フェイスブックの現在の収益の柱は、ウェブのサービス画面に表示するディスプレイ広告だ。調査会社のeマーケターの推計によると、米国における2012年のフェイスブックのディスプレイ広告収入は21億6000万ドル。これに対しグーグルは23億1000万ドルで、両社の米ディスプレイ広告市場におけるシェアは拮抗している。
フェイスブック、検索広告市場に進出か?
ところがグーグルにとってはディスプレイ広告は事業の一部。グーグルの年間売上高は400億ドル以上に上り、その大半が検索広告だ。
グーグルは米国で年間130億ドル以上を検索広告で得ており、市場シェアは75%。つまりフェイスブックは今回の新サービスで、この巨大なグーグルの牙城に挑んでいくものと見られている。