スマートフォンやタブレット端末向けアプリの市場に詳しいオランダの調査会社、ディスティモによると、世界主要20カ国におけるアプリの売り上げは堅調に伸びており、この市場は依然として拡大を続けている。
アップルとグーグル合わせて年間68億ドルの規模
最大のモバイルアプリ市場である米アップルの「アップストア(App Store)」における1日の平均売上高は、今年1月から11月の間に51%増えた。
アップストアのここ最近(8~11月)の売上高の伸びは21%とやや鈍化傾向にあるものの、米グーグルのアプリストア「グーグルプレイ(Google Play)」は同じ期間に43%伸びており、勢いが増している。
グーグルプレイの1日当たり平均売上高は350万ドル、これに対しアップストアは1500万ドルと、グーグルの市場はアップルの4分の1程度にすぎない。しかしこの2社だけでも、今年の年間売上高は68億ドルと推計され、その市場規模の大きさに驚かされる。
ディスティモによると、モバイルアプリの売り上げが最も多い国は米国で、これに日本、英国、オーストラリアと続いている。興味深いのは、日本のグーグルプレイの売上高が米国に匹敵していること。日本ではアップルのアイフォーン向けアプリもよく売れているが、グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」用アプリも好調に推移している。
また韓国では、グーグルプレイの売り上げの方がアップストアよりも多いという特徴がある。これは、韓国サムスン電子がアンドロイド端末の市場で高いシェアを持っていることが背景にあるとディスティモは分析している。
特定アプリへの集中が進んだ2012年
このほか、2012年の傾向として挙げられるのは、アプリ内購入による売り上げが増えたこと。例えば雑誌などのアプリではダウンロード時は無料で、その後定期配信などを受けると料金がかかるというものがある。ゲームアプリも最初は無料で、ゲーム内でアイテムを入手すると課金されるというものが多い。
ディスティモによると、これらアプリによる売り上げの全売上高に占める割合は今年1月時点で53%だったが、11月には69%にまで拡大している。