2012年は韓国サムスン電子が世界の携帯電話市場で首位に立った年と言えそうだ。
米国の市場調査会社、IHSアイサプライが18日までにまとめた今年1年間の世界携帯電話出荷台数(速報値)によると、サムスンのシェアは昨年の24%から29%に上昇し、業界トップになる見通しだ。
一方で1998年から14年連続で首位を維持してきたノキアのシェアは30%から24%に低下し、2位に後退するという。
サムスンがノキアを追い抜き1位になるという統計はこれまでもあったが、いずれも四半期ベースの調査。年間ベースでサムスンがトップになるのは初めてのことだ。
まだ2012年はいくらか残っているため、正確な数値は最終集計を待たなければならないが、この速報値の開きを見る限りサムスンの首位はほぼ確実と言えそうだ。
スマートフォンでさらに広がる両社の差
2012年はスマートフォンが大いに注目を集めた年で、両社の明暗を分けたのもこのスマートフォンだ。
IHSアイサプライによると、サムスンは旗艦モデル「ギャラクシー(Galaxy)」シリーズで、低価格帯から高価格帯まで様々な製品を揃え、米アップルより幅広い顧客層をつかんだ。
一方スマートフォン市場で苦戦しているノキアは、主力端末の基本ソフト(OS)を従来の「シンビアン」から米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン」に切り替えて販売攻勢をかけている。
このことからシンビアン端末の出荷台数が減少するのは当然だが、その減少分を補うべく力を入れているウィンドウズフォン端末に今のところ目立った成果が出ていない。結果としてノキアのスマートフォンは大きく落ち込んでいるという。