米アップルの「アイパッド(iPad)」のようなタブレット端末の世界市場は、これまで考えられていたよりもはるかに早くに拡大しそうだ。
IT市場に詳しい米国の調査会社IDCは、これまで今年の年間出荷台数を1億1710万台と予測していたのだが、ここに来てこれを1億2230万台に上方修正した。
これに伴って来年の予測値も従来の1億6590万台から1億7240万台に、4年後の2016年の予測値も2億6140万台から2億8270万台に引き上げている。
「小型化」と「低価格化」が市場拡大のカギ
タブレット端末の昨年1年間における出荷台数は6870万台だったので、今年はその約1.8倍になるという推計だ。
また筆者が知っているだけでもIDCはこれまで今年の予測値を4回修正している。今後も状況に変化が表れれば、来年以降の数値もさらに引き上げられそうだ。
今回の上方修正の理由は、アップルが今年11月初旬に発売したアイパッド・ミニ(iPad mini)の需要が高まっていること。
またアマゾン・ドットコムや韓国サムスン電子の端末に代表されるような米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末の出荷台数が増えていること。
IDCのアナリストによれば、タブレット端末は全般的に画面サイズが小さくなり、低価格化が進んでいる。中でもアンドロイドは無料で使用ライセンスが与えられ、市場参入障壁が低いことから新興国市場で採用メーカーが増え、低価格端末の大きな成長要因になっている。