アジアカップ2010ではアメリカ組、ドイツ組の活躍が目立った。澤さん自身は20歳の時に渡米し、コロラド・デンバー・ダイヤモンズ、アトランタ・ビートと2つのチームを経験するが、アメリカ女子プロサッカーリーグの休止に伴い、いったん帰国。
2009年にアメリカで女子プロリーグWPS(Women's Professional Soccer)が再結成されると、ワシントン・フリーダムから国際ドラフト1位指名を受けて再び渡米した。
アメリカWPSには、ほかに宮間あや、山口麻美、丸山桂里奈が所属している。一方、ドイツには永里優季、安藤梢がいる。
第2回では、海外でプレーするなでしこ達の現状を通して、「強くなる」には何が必要かを探る。(編集部)
海外で揉まれて強くなる
1978年9月6日生まれ。東京都出身。プロサッカー選手、MF(ミッドフィールダー)。2009年、アメリカ女子プロリーグ(WPS)の再開に伴い、ワシントン・フリーダムより国際ドラフト1位で指名される。 »経歴詳細
(撮影:前田せいめい、以下同)
澤 今回のアジアカップでは、永里(優季)がとてもいい働きをしました。彼女はドイツ(ポツダム)に行って頼もしくなった。フィジカルの強いドイツにいたから、身体つきも一回り大きくなったような気がします。
1987年生まれですが、若い子たちと一緒にいるよりも、お姉さんたちと一緒にいて吸収したいタイプなんでしょうね。
平田 同じくドイツ(デュイスブルク)に行った安藤(梢)はどうですか。
澤 やっぱり彼女も、一回り大きくなった感じはしますよ。
平田 ドイツではフィジカルトレーニングが多いんでしょうか。
澤 そう言ってました。特に、永里はそれにプラスして、自分で筋トレもやるんです。やっぱり彼女は努力している。
平田 代表でアメリカ組は、澤さんのほかは宮間(あや)と山口(麻美)。彼女たちはフィジカル面ではどうですか?
澤 (宮間)あやのチームもフィジカルトレーニングが多いと言っていました。
平田 そういう話を聞くと、日本はフィジカルが少ないのかな?
澤 やる内容も違いますよね。ドイツもアメリカもジャンプ系が多いです。チーム全体で、筋トレを週に2回、3回やったりします。例えば日本のベレーザだと、みんな昼間は仕事があるから、練習をする時間帯が遅くて、練習が終わった後に筋トレをする時間がないんじゃないでしょうか。練習が終わるのは夜10時とかですから。
平田 そうすると、筋トレは各自でやることになる。
澤 そうなりますね。