在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。
沖縄戦後史の研究でも知られるエルドリッヂ氏が、日本の外交や安全保障、沖縄問題や日米関係などについて論評した。
普天間返還合意以降に交代した日本の外務・防衛大臣は25人以上
中山 今回は在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂさんにお話を伺います。エルドリッヂさんは、かつて大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)で約10年間准教授を務められ、関西とも非常にゆかりのある方です。
米国大統領には4年の任期がありますが、日本ではその間に何人も総理大臣が代わっています。こうした日本の政治にどんな印象をお持ちですか。
エルドリッヂ 私の研究テーマは日本の政治ですが、私は日本の有権者ではありませんし、仕事の立場もあるためお話できる範囲でお答えします。
まず言えるのは、緊張感が非常に大切であるということ。日本の政治には基本的に緊張感が足りません。国際社会における日本の役割、そして国民のことをどこまで考えているのかという点について疑問を抱くことがあります。
特に私が関わっている外交や安全保障分野では、外務大臣や防衛大臣がよく代わります。
沖縄政策について言えば、日米両政府が1996年4月12日に米軍普天間飛行場の全面返還に合意してから16年が経ちますが、その間に25名以上の外務大臣あるいは防衛大臣が交代している。
だからなかなか一貫性のある政策ができないし、最後まで責任を果たせないのではないでしょうか。
在沖米軍についてネガティブな報道ばかりのメディア
中山 沖縄では、女性への暴行事件や住居侵入傷害事件など米兵による事件が相次いでいますが、これについてはどうお考えですか。
エルドリッヂ 二度と起きてはならないですし、米兵が事件を起こしたことは非常に申し訳なく思っています。
兵士や軍属たちは一人ひとりが米国を代表しているのですから、ある意味で日本に対して大使的な役割を果たさなければなりません。ですから、今回の事件がホストである日本国民に与えたショックは大きく、本当に残念です。
ただ一方で、メディアはこうした事件があたかも毎日起きているかのように報道したり、事件を事実以上に大きく伝えている気がします。