日本半導体と電機産業の転落が止まらない。ここ1週間で起きたことを整理してみると、以下のようになる。
・ルネサス ── 9月に決まった7466人の早期退職者に加えて、産業革新機構が5000人の追加削減を要請(「日本経済新聞」、10月27日付)。また4~9月期の連結決算は1150億円の赤字。
・エルピーダ ── 東京地裁とともに米国で破産手続きを監視する立場にある米デラウェル州の破産裁判所は、「エルピーダが債権者に対して適切な情報開示を行っていない」としてマイクロンへの売却を認めない可能性もあると警告(「半導体産業新聞」、10月31日)。また関係筋によれば、エルピーダ広島工場は「3年後にDRAMを生産していないかもしれない、5年後には工場自体がないかもしれない」可能性があるとのこと(11月1日に配信した筆者のメルマガに詳細記載)。
・パナソニック ── 2013年3月期の連結決算で7650億円の赤字の見込み。前期の7721億円に続く巨額赤字になる(「日本経済新聞」、11月1日)。
・シャープ ── 2013年3月期の連結決算で4500億円の赤字の見込み(「日本経済新聞」、11月2日)。中間期の決算短信に「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象や状況が存在している」と自ら注記している。
正直なところ、毎朝、新聞を見るのがつらい。また、リストラの人数や赤字の額に、麻痺してきてしまった。
2009年11月30日から約3年間、コラム「日本半導体・敗戦から復興へ」を連載してきたが、もはや小手先の「絆創膏貼り」では、どうにもならないどん底状態に陥っていると感じる。読む方も愉快でないかもしれないが、書き手としても大きな無力感に苛まれている(もっと辛いのは当事者たちかもしれないが)。
そこで、申し訳ないが、今回は全く別の話題を書かせていただこうと思う。内容は半導体および電機産業とは関係がない「放射線教育」の話である。
しかし内容は直接関係なくとも、そこから半導体・電機産業に対する示唆があると思っている。それは最後のまとめでお話ししたいと思う。
静岡県島田市で震災ガレキ受け入れ問題が勃発
ことの発端は、私の故郷である静岡県島田市が、2011年末、岩手県大槌町および山田町の震災ガレキ受け入れを表明したことにあった。東京都を除けば島田市は、全国市町村の中で初めて、東日本大震災による広域ガレキの受け入れを表明したのである。