スマートデバイスをはじめ、オフィス環境やワークスタイルにインパクトを与えるツールが次々に登場している。
オフィス環境の向上は社員の生産性に直結するため、企業にとって非常に重要な問題と言える。こうしたなか業務効率をアップさせる「セルフ化」というキーワードに注目が集まっている。
オフィスの生産性を高める余地は大きい
長引く円高や電力事情への懸念を指摘するまでもなく、日本企業を取り巻くビジネス環境は楽観を許せるような状況ではない。しかも、新興国企業の存在感は確実に高まっており、国内外の市場を舞台にした競争はますます厳しさを増している。
こうした中で、企業にはもう一段の業務効率化やコスト削減が求められている。「やれるところはやった」と考えていたとしても、新しい視点で業務を見直すことで効率化の可能性が見えてくるはずだ。
一般に、日本企業では工場の生産性は高いが、オフィスのそれは低いと言われる。
言い換えれば、オフィスの生産性を高める余地は大きい。また、工場の設備に比べると、オフィスワークを支援するツールの進化ははるかに速い。その進化を取り入れることで、大幅に業務効率を高めることができる。
代表的な例は、スマートフォンやタブレット端末だろう。これらのスマートデバイスは消費者向けの分野で一気に普及した後、いまではビジネス領域でも広く使われ始めている。さらに、従業員所有のデバイスをセキュアな形でビジネス利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」を取り入れている企業もある。
BYODを導入すれば、企業は端末を資産として持つ必要がなく、従業員は使い慣れたスマートデバイスを使って業務の効率を高めることができる。デバイスを支給される度に使い方を学ぶといった面倒はなくなる。
セルフメンテナンスという解決策
スマートデバイスは、オフィスの"拡張"ととらえることができる。外出先や自宅でのリモートワークが容易になっただけではない。例えば、中古車販売店では、タブレット端末を使ってクルマの写真を見せながら接客するというスタイルが見られるようになった。
いちいちオフィスに戻ってPCで在庫を確認する必要はなく、業務効率化とともに顧客満足の向上にも役立つ。
業務効率を高める上では、オフィス環境そのものの整備も効果的だ。意外と見落とされがちなのは、プリンタである。プリンタのダウンやメンテナンスのために業務が滞った、あるいは顧客に迷惑をかけたという経験を持つ人は少なくないだろう。
また、旅行会社や携帯電話のショップのような顧客と対面する業務では、印刷のために顧客をかなり待たせているケースもある。こうした時間は、業務効率と顧客満足を低下させる原因だ。このような観点で注目を集めているのが、セルフメンテナンスのプリンタである。