マット安川 政局ばかりが報じられる中、「野田政権はアメリカの回し者」と言い切った亀井静香さんが初登場。消費税増税の背景や、現在日本が抱える諸問題について伺いました。

脱原発デモは、幕末の「ええじゃないか」と似た民衆運動

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:亀井静香/前田せいめい撮影亀井 静香(かめい・しずか)氏
衆議院議員。東京大学経済学部を卒業し企業に就職した後、警察庁に入庁。1979年に衆議院議員初当選、94年運輸大臣、96年建設大臣などの要職を経て2005年に自由民主党を離党し、国民新党を結成。2009年金融・郵政改革担当大臣に就任、翌年辞任。2012年4月、国民新党離党。(撮影:前田せいめい、以下同)

亀井 日本の政治は、次の選挙でガラっと変わっちゃうと思いますよ。私も参加しましたが、いまの首相官邸前、国会前の原発再稼働反対・脱原発デモの動きは一過性のものではない。

 いまは脱原発ということで集まっていますが、それが反消費税増税、反オスプレイと広がりつつある。東京も大阪も愛知も、そういううねりがいま現に起きている。これは地熱みたいなもので、私はこの熱が次の選挙、政治を動かすと思います。

 既成政党の自民党や民主党がいくらウソを言って国民をダマそうとしても、国民はもはや耳を傾けなくなっている。国民はみんな皮膚感覚でこれは間違っている、自分たちは間違った流れの中で生活をさせられている、さらにもっと危険な生活をさせられようとしているということに気づいている。

 地震を予知してネズミが逃げると言われているのと同じような動きです。ただネズミとは違い、逃げるのではなく、自分たちがこの流れを阻止して変えようという動きが起きているわけです。

 この動きは、幕末の「ええじゃないか」運動によく似ている。当時の民衆は歴史に突き動かされ、居ても立ってもいられない、そういう気持ちが「ええじゃないか」運動になったんです。そして明治維新が起きたわけです。

 だから今度も脱原発デモのような動きが選挙を制し、そのあとは政治のプロが身を捨てて命懸けで、そうした動きを政治的な力にして日本を変えていかなければならない。それで初めて明治維新のような現象が起きるんです。

民・自・公の談合政治が再び弱肉強食の政治を推進しようとしている

 3年前、強者だけが繁栄するんじゃなくて、弱者も、という政治をやろうということで、小沢(一郎、国民の生活が第一代表)さんや鳩山(由紀夫、元首相)さん、私や社民党の福島(瑞穂、党首)さんが手を結んで、自公政権をひっくり返した。

 社民党まで連立に加わり、まさにそれまでの自公政治とは違う新しい政治を始める象徴的なことだったんです。そうやって民主党政治は始まったはずなのに、新自由主義を推進してきたアメリカのおっしゃる通りにやろうという勢力に民主党は乗っ取られちゃった。