エリザベス女王の即位60周年にロンドン五輪と、今年は何かと話題が多い国、イギリス。
イギリスと言えば、ビールとウイスキーの国と考えている方も多いことでしょう。確かにイギリスは料理へのこだわりが少ない国と見られており、食事と一緒にワインを味わうことよりも、パブやバーなどで他のアルコールを楽しむ文化の方が優勢なのも頷けます。
王室が植えたスパークリングワイン用のブドウ
しかし、近年になってイギリスはスパークリングワインの生産にかなり力を入れてきています。
2011年4月のウィリアム王子の結婚式で振る舞われたのは、イギリスの「チャペルダウン」というスパークリングワインでした。
〔AFPBB News〕
また2012年5月には、ウィンザー城に隣接する広大な土地に、イギリス王室がスパークリングワイン用のブドウを1万6000本も植えたことが、世界のワイン愛飲家の間で話題になりました。3年も経てばブドウが収穫され、4~5年後にはリリースされます。おそらく市場に流通することはほとんどなく、プレミアなスパークリングワインになることは必須です。
イギリスが国を挙げてスパークリングワイン事業に力を入れていることが見て取れます。今まで「イギリス王室御用達」シャンパンを標榜してきたフランスのシャンパンメーカーも、固唾を呑んで見守っていることでしょう。
イギリス王室の新しい挑戦には、歴史的な伏線があります。ワインと縁が薄いと思われているイギリスですが、17世紀にある大発明をしています。
シャンパンを発明したドン・ペリニョン(修道士)をご存じの方は多いはず。それに先駆けること30年、イギリスではスパークリングワインを飲んでいた記録があるのです。