米ヒューレット・パッカード(HP)が23日に発表した2~4月期の決算は、売上高が306億9300万ドルとなり、1年前に比べて3%減少した。純利益は15億9300万ドルで1年前の23億400万ドルから31%減少し、これで3四半期連続で減収減益となった。

「削減した経費は成長部門に再投資する」

HP新社長兼CEOにメグ・ホイットマン氏

HPは現在、メグ・ホイットマン会長兼CEOの下で経営再建を図っている〔AFPBB News

 また同社は全従業員の8%に当たる2万7000人を今後2年間で削減するリストラ策を発表した。HPは今年3月にパソコン部門とプリンター部門を統合する組織再編計画を明らかにしていたが、今回の人員削減はその一環。これより年間30億~35億ドルの経費削減を見込んでいる。

 削減した経費はクラウドコンピューティングやビッグデータの解析分野など、成長が見込める新たな分野に再投資するとしており、「痛みを伴うが、HPにはやるべき課題が明確になっており、今こそ経営改革の正念場」と説明している。

 同業の米デルも前日に2~4月期の決算を発表しているが、こちらも減収減益だった。消費者向け製品の売上高が12%減の30億ドルにとどまるなど、主力事業全般で業績が伸びなかった。

 特に売上高の3割を占めるノートパソコンが10%減少しており、最高財務責任者(CFO)はその理由を「消費者の支出がモバイルコンピューティングなど別の機器に向けられている」と説明した

HPのパソコン事業、2~4月期はゼロ成長

 こうした大手パソコンメーカーの振るわない決算発表を受けて、米ウォールストリート・ジャーナルは23日付の電子版で「テクノロジー業界における老舗企業と新世代企業の隔たりが広がっていることが改めて示された」と報じている。

 HPで最大規模の事業部門はパソコンを手がける「パーソナルシステムグループ(PSG)」だが、この部門の2~4月期の売上高は94億5200万ドルと、前年に比べ横ばいで、ゼロ成長だった。