米グーグルを欧州の競争法違反の疑いで調査している欧州委員会(EC)は21日、同社に対し自主的な是正策を提示するよう求めた。
もしグーグルが要求に応じなければ、これまで通り罰金と制裁措置に向けた手続きを続ける。グーグルから妥当な是正策が示されれば、この問題の救済に関する協議を始めるとし、同社に選択を迫っている。
この問題は、特定用途向けの検索サービスを手がける欧州のライバル企業が、グーグルの検索サービスの商慣行に不公正な競争行為があるとし欧州委員会に苦情を申し立てていたものだ。欧州委は各社の苦情を受け、これまでの1年半本格的な調査を行っていた。
シュミット会長に是正求める書簡
その結果、欧州委はグーグルが市場の支配的な地位を乱用していた疑いがあるとして、4つの懸念事項を挙げた。
ホアキン・アルムニア副委員長(競争政策担当)がグーグルのエリック・シュミット会長に書簡を送り、それらについての是正策を数週間以内に提示するよう求めたのだ。
欧州委が問題としているのは、まず、グーグルによる自社サービスの優先的な取り扱いだ。同社は一般的な検索サービスの結果ページに、自社の他サービスのリンクを設けて利用者を誘導している。
グーグルの検索結果には左の欄に、画像、地図、ビデオといった項目があり、それぞれ同社のサービスにつながっている。これが、競合サービスを不利に扱う行為だと欧州委は問題視している。
もう1つは、競合サービスのウェブサイトからコンテンツをコピーして、自社サービスに使っている点。例えばグーグルの検索結果には、旅行情報サイトやレストランガイドサイトなどに掲載されている利用者の評価コメントが表示される。