食品インターネット通販、モバイル通信、コンビニエンスストア。分野の枠を超えた連携が進んでいる。
NTTドコモは2012年3月19日、安全安心な野菜を宅配する「らでぃっしゅぼーや」を子会社化した。らでぃっしゅぼーやはそれ以前にローソンとも新会社を設立しており、これら3社間の資本提携が進んでいる。
食品ネット通販のらでぃっしゅぼーや、携帯電話会社として国内最大の顧客を持つNTTドコモ、コンビニ業界2位のローソン。なぜ、このような事業の枠を超えた連携が進みつつあるのか。
通信事業以外に手を広げたいドコモ
らでぃっしゅぼーやは、「有機・低農薬野菜」「無添加」などのこだわり食品を会員制で宅配している。全国で約2600の契約農家を持ち、独自に企画した商品が約9割に上る。
このらでぃっしゅぼーやの株の75.74%を公開買付けで取得し、2012年3月19日に子会社化したのがNTTドコモだ。
NTTドコモは約6000万人の顧客と約2400の販売店(ドコモショップ)を擁する国内最大の携帯電話キャリアだ。しかし、このところ「iPhone」を販売するKDDIやソフトバンクモバイルの勢いに押され気味。番号ポータビリティ制度でドコモから他社への顧客流出も相次いでいる。
NTTドコモは、異業種との連携を進めて事業領域の枠を広げ、新たな収益源を育てようとしている。そうした新事業での収益を2015年度までに2011年度比で2.5倍の1兆円に拡大する考えだ。
その一環として2010年4月、NTTドコモは損害保険大手の東京海上日動火災保険と業務を提携。携帯から保険に加入できるサービスを開始した。
2011年12月には、オムロンヘルスケアとの間で、健康・医療支援サービスの開発・提供を目的とする新会社設立を前提とした業務・資本提携を検討すると発表した。NTTドコモのサービス「ドコモヘルスケア」とオムロンのサービス「ウェルネスリンク」のプラットフォームを活用し、個人がより簡易に健康管理できる利便性の高い健康・医療サービスの提供を目指すという。
では、食品ネット通販のらでぃっしゅぼーやと連携した狙いは何か。