政界再編にらみ「中川勉強会」始動
もう一方、自民党「反麻生」派の代表格が中川秀直元幹事長だ。
11日開かれた中川を中心とする議員連盟「生活安心保障勉強会」の設立準備会には57人が参加。「反麻生」系から渡辺や小池百合子元防衛相、塩崎恭久元官房長官が参加する一方で、安倍晋三元首相や菅ら「親麻生」組も加わった。中川は「純粋な勉強会」と政局絡みを否定するが、衆院選後の政界再編を視野に入れ、超派閥勢力の結集に乗り出したのは疑いない。
これに先立つ10月下旬、政策的に対立する中川と与謝野馨経済財政担当相が「麻雀卓を囲んだ」という情報は注目に値する。ほかには、与謝野に近い園田博之政調会長代理と若手の後藤田正純。中川サイドから与謝野にアプローチがあったとされ、党内では「今のメンバーではいざという時に数が足りないから、中川は勢力拡大のために何でもやろうとしている」(ベテラン議員)と見られている。
加藤、山拓が小沢と密談?
12月14日、自民党の山崎拓前副総裁、加藤紘一元幹事長、民主党の菅直人代表代行、国民新党の亀井静香代表代行の「YKKK」が、テレビ朝日のサンデープロジェクトで揃い踏み。司会の田原総一朗や亀井が衆院選前の離党を盛んにあおったが、加藤は「今は考えていない」と否定した。その一方で、山崎は「この4人が政界再編の1つの軸となり得る」と強調してみせた。
加藤、山崎が10月に亀井の仲介で「民主党の小沢一郎代表と密談した」という噂が永田町で広まっているが、加藤、山崎はこの件について事実関係を認めない。不可解なことに、老獪な田原が番組で当事者にこの件を追及していない。うっかり質問を忘れたとは考えにくく、事前に何らかの “取引” があったのではないかと推測される。
離党を否定する加藤紘一氏 〔AFPBB News〕
それはともかく、亀井は「(自民党は)『賞味期限が切れた』と加藤さんは言っている。賞味期限が切れたものを国民に食わせると下痢する。選挙の前に党を割らないといかん。その度胸があるかないかだ」とけしかけた。
加藤は最後までムニャムニャと要領を得なかったが、時機を探ってはいるのだろう。2000年11月の「加藤の乱」では森内閣打倒に失敗しているだけに、果たして加藤、山崎が自民党を割る決断を下せるのか。「離党しても今さらあの2人についていく議員はいない」と町村派幹部は冷ややかに見つめている。

