フランスでも原発事故が起きた。フランス公共ラジオは4月5日、フランス北部のパンリー原子力発電所で火災が発生し、原子炉が自動停止したと報じた。放射能を帯びた冷却水が一部漏れ出したもようだ(「仏原発で小規模の火災、放射能を帯びた冷却水漏れる」)。
NHKは2011年5月20日にBSで「放射性廃棄物はどこへ(終わらない悪夢)」という番組を放送している。ドーバー海峡に放射性廃棄物を堂々と廃棄するフランスの原発事情を目の当たりにして背筋が寒くなった。
日本政府は原発の再開に躍起になっているようだが、核のゴミをどうするかの問題は少なくともはっきりさせてほしい。日本には福島第一原子力発電所から拡散した放射性物質の処分という問題も新たに発生したことを肝に銘じて。
さて今週は「中国」に関する記事をご紹介したい。
高度経済成長が終わった中国
「失われた道徳心」が中国の国家的問題に
高度成長という魔法が解け始めた中国
中国の不均衡是正に「万歳二唱」
海外留学に殺到する中国人、価値観の変化の契機
姫田小夏による「失われた道徳心」と英フィナンシャル・タイムズ紙の「海外留学に殺到する中国人」の2編は、急速に経済成長した中国社会のひずみをリポートした記事だ。
姫田さんは、いま中国では8つの問題が国家的関心事になっているという。
「(1)住宅価格と固定資産税改革、(2)物価、(3)収入格差、(4)“老三難”と言われる教育、医療、失業問題、(5)食品の安全性、(6)スクールバスの安全性、(7)ミニブログと社会の管理、(8)道徳心の喪失、がそれである」
「この中で興味深いのは最後の「道徳心の喪失」だ。「道徳心の喪失」はここに来て浮上してきた新しい社会問題である」
「上海でも社会道徳の欠如を嘆く声が日増しに強まっており、中国政府もまたこれを重視している」
経済成長を最優先してきた中国では、お金こそがすべてという風潮が蔓延するようになってしまった。かつてお互いに助け合ってきた社会は、目の前に起きた人の不幸を見て見ぬふりをして通り過ぎる社会へと変質した。