タイの洪水被害によるハードディスク駆動装置(HDD)の供給不足や、欧州の債務危機など、パソコンを取り巻く市場環境はあまり芳しくないが、マイクロプロセッサーの市場は比較的堅調に推移しているようだ。

売上高、13.2%増の410億ドル

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米カリフォルニア州サンタクララ市にあるインテルの本社〔AFPBB News

 米国の市場調査会社IDCが15日までにまとめた調査リポートによると、昨年1年間におけるパソコン向けマイクロプロセッサーの世界売上高は前の年から13.2%増えて約410億ドルになった。

 10~12月期を見ると1年前から14.2%増の109億ドルで、この四半期は7~9月期と比べても1.8%増加している。

 一方で1年間の出荷個数は3.6%増にとどまっており、売上高ほどの伸びはない。平均販売価格が上がったためだ。IDCによると、昨年の平均販売価格は9%以上増加しており、これは過去5年で最も高い水準。2年連続で顕著な上昇が見られたとしている。

 グラフィックス機能を統合するプロセッサーが増加傾向にあり、高付加価値製品の普及が業界の成長を支えていると言えそうだ。

HDDの供給、徐々に回復へ

 これに加え、IDCは今年の出荷個数が昨年から5.1%増加すると予想しており、長らく続いた厳しい市場環境に明るい兆しが見え始めた感がある。

 「昨年末からこれまでの状況を見ると、HDDの供給問題は4~6月期のパソコン出荷台数には大きな影響を与えないだろう」(IDC)としている。

 また米国で失業率が低下しており、雇用が改善していることや、欧州の債務危機問題の安定化といった要素を考慮すると、今後の成長予測を若干ながらも上方修正できる可能性があるとコメントしている。