米国のソーシャルゲーム大手ジンガは3月1日、自社のウェブサイトで展開する独自のゲームプラットフォームを開発したと発表した。3月中にも「Zynga.com」で人気作品5タイトルを開始し、その後順次タイトルを増やしていく。
サービスは英語のほか、スペイン語、フランス語、日本語、繁体字中国語など合計16言語に対応させる予定だ。
「フェイスブックへの依存はリスク要因」
同社は主に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手の米フェイスブック内でゲームを提供している会社。米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や米グーグルの「アンドロイド(Android)」端末向けアプリ、さらにグーグルのSNS「グーグル+(プラス)」などでも事業展開を図っているが、顧客の大半はフェイスブックのユーザーという状況だ。
このことから「収益のほぼすべてをフェイスブックに依存しており、他社の成功に支えられる事業には大きなリスクが伴う」とアナリストから指摘されていた。
そこでジンガは昨年、顧客と直接つながることを目指す「ジンガ・ダイレクト(Zynga Direct)」という戦略を打ち出し、この戦略のもと同社のウェブサイトでゲームを提供するサービス「プロジェクトZ」を立ち上げると発表した。
今回の発表はその計画を実行したものとなる。サービス名を「ジンガ・プラットフォーム」に改称し、同サービス基盤を使って同社以外のゲーム開発・運営会社のゲームも提供する方針だ。
また、こうしたサードパーティー企業に、ユーザーの反応を把握でき、ゲーム改良に役立てられる分析ツールなども提供する。将来的にはソーシャルゲーム開発のコンサルティングなども行いたい考えで、自社プラットフォーム拡大に向けた投資も積極的に行っていく意向だ。
フェイスブックとジンガは共生関係
ただ、今回の発表で当面フェイスブックとの関係を維持していくことも明らかになった。例えば、ユーザーは同社ウェブサイトやフェイスブック内で同一の専用ユーザー名を使いジンガ・プラットフォームのゲームに参加でき、ほかのユーザーと交流できるという仕組みになる。
また、ジンガの収益の柱となっている仮想アイテムの販売もフェイスブックの仮想通貨「フェイスブック・クレジット」を通じて行われる。