入試シーズンの到来。受験生を抱える親御さんは、お子様の進学先がどうなるかを心配される方も多いと思います。
例えば、お子様が慶應義塾大学への進学が決まられたらいかがでしょうか? 慶應ブランドは健在であり、お子様が慶應義塾大学に合格すればホッとされるかもしれません。
こうした定石にノーをつきつけた若者、熊平智伸さんにインタビューを行いました。熊平さんは、日本の大学では人生の挑戦ができないと感じ、慶応大学を未練なく退学して米国のアイビーリーグに留学したのです。
教授が学生から学ぼうとする米国の姿勢
福原 慶應大学を退学してまで留学しようとした、いきさつを教えてください。
熊平 慶應大学に入って間もない頃に参加した、ハーバード大学のファウスト学長の来日歓迎パーティーでのスピーチが留学を意識するきっかけでした。
「大学の学部教育は、学生が卒業後利用する学歴のためだけではなく、各々にとって有意義な人生を生きるために必要なツールを提供するためにある」という言葉に感銘を受けました。
調べてみると、米国の学部は、リベラルアーツと呼ばれる教養学部で、膨大なインプットとアウトプットを通して基本的な物事の考え方を学生に叩き込んでいくのだと分かったのです。既存の秩序が崩壊していく中で活躍するには、自分の実力を鍛えられる米国の大学が理想的でした。
福原 日米両方の大学で学んだ訳ですが、最大の違いは何だとお考えですか? 最初はいろいろとカルチャーショックもあったのではありませんか?
熊平 教授が学生からも学ぼうとすることだと思います。
例えば、入学式での学部長のスピーチで、「ブラウンの教授は学生に教えるのが大好きだ。学生に教えることで最も多くのことを学べると知っているからだ。教授たちは、学生の新しいアイデアに挑戦されたくてうずうずしているので、諸君はためらわないで教授のところに来るように」と言われた時は、本当にここに来られてよかったと感じました。
「教授も学生と同じ学習者である」という考えは日本の学校では感じたことがなかったので、相当ショッキングでした。