私事で恐縮ながら、ここ十数年来、私は池袋の美容院で髪を切ることにしていまして、ほかに用がなくても月に1度程度の頻度で、池袋の繁華街を通るのが習慣になっています。
実は髪を切ったあとに、定番のお楽しみがあるんです。近場の老舗餃子店で餃子を食べる、というものなのですが、同じ店でもう1つ「レバ刺し」を出すんですね。
生姜とニンニクと薬味が2つ、ついて出てくるんですが、これがなんとも堪らず、髪の毛を切ったらレバ刺しでビール、しばらく待っていると餃子が出てくる、というのがいつものパターンになってました。
「なっていました」というのは、大変残念なのですが、このところ、この「レバ刺し」がお休みになってるんですね。
ご存じの通り、焼肉チェーン店で提供していた「ユッケ」から病原性大腸菌が検出されてこのかた、こうした生肉にお目にかかることがめっきり少なくなってしまいました。
レバ刺しは出ないが馬刺しはOK
今年は関西の仕事が多いのですが、大阪に行くと、やはり定番にしている「鶴橋の焼肉」でもユッケにお目にかかりにくくなってしまいました。大事を取るのは分かるのですが、日本全国こう徹底されると、なんとも残念なものです。
代わりにというか、お目にかかるのは「マグロのユッケ風」みたいな、お魚の剥き身を使った一品で、「なめろう」みたいに、これはこれで悪くないんですが、「ユッケが食いたい!」という食欲と、「なめろう」への食指とは、ちょっと性格が違う感じで、私の場合あまり代用にならない気がしています。
ところが「ユッケ」「レバ刺し」なんかは、ほぼ全滅状態ながら「センマイ刺し」なんかはOKなんですね。
「センマイ」は1度、湯引きというか、加熱処理してあるので、病原性大腸菌対策がOKということなのでしょう。助かった、とばかりに、この手のものに目のない私は、センマイ刺しに飛びつきました。
大阪は新世界で串かつを食べにとある店に入った時です。お品書きの黒板に「馬刺し」とあるので、おやっ!と思いました。
お絞りを出してくれたお兄ちゃんに「馬刺しあるの?」と訊くと「ありますよ」という二つ返事、これまたありがたい、と「熊本直送」とある馬刺しを頂くことができました。