成否のカギを握るのは“魅力的な価格”
しかし果たしてこのウルトラブックは本当にタブレットに対抗できるのだろうか?
ウルトラブックとは概ね次のようなものだ。
ハードディスク装置(HDD)に代えて、半導体ディスク(SSD)を搭載し、休止状態から素早く起動する機能や、1回の充電で8時間以上持つバッテリー性能を備える。本体は厚さ20ミリ未満の薄型軽量デザインで、主流価格は1000ドル未満――。
インテルは、2012年に今の第2世代「コア(Core)」プロセッサーに代えて、「アイビーブリッジ(Ivy Bridge)」と呼ばれる第3世代コアプロセッサーを用意する。さらに2013年には「ハスウェル(Haswell)」と呼ぶ次世代プロセッサーで一層の性能向上と低消費電力化を図る計画だ。
この頃にはインターネット接続を維持した状態でバッテリー待機時間が10日以上という性能が実現し、価格も1000ドルを大きく下回るとインテルは見込んでいる。
IHSアイサプライは、価格こそがカギを握ると指摘している。
ウルトラブックは現在ほとんどが1000ドルを超える価格帯で販売されているが、同社の調査ディレクター/アナリストは「魅力的な価格が実現し、消費者が必需品と捉えるようになれば、業界は新たなパラダイムシフトを迎える」と述べている。
もしウルトラブックが十分な価格競争力を持てば、一気に普及すると同社は見ている。コンピューター業界全体の将来は、このウルトラブックの成否にかかっていると言えるのかもしれない。