米マイクロソフトの7~9月期の決算は1年前から増収増益になったものの、その伸び率はともに1桁台。とりわけパソコン向け基本ソフト(OS)のウィンドウズ(Windows)部門は2%増の48億6800万ドルにとどまった。
景気低迷によるパソコン市場の成長鈍化に加え、タブレットなどモバイル端末の台頭を背景に同社のOS事業は伸び悩んでいる。
先頃、米国の市場調査会社のガートナーとIDCが公表した7~9月期における世界のパソコン出荷台数はそれぞれ9179万台と9188万台で、1年前に比べると3.2%増と3.6%増だった。
マイクロソフトのウィンドウズ事業は過去3四半期にわたってマイナスが続いており、ここに来てようやくプラスに転じたが、その伸び率は市場全体を下回る結果となった。
「サーバー」と「ビジネス」は比較的好調
一方、比較的好調なのは、ネットを介して情報をやりとりするクラウドコンピューティングの分野。クラウドシステムに必要なサーバーソフト部門の売り上げは1年間で10%増加して42億5000万ドルとなった。同事業は6四半期連続で2桁増加を記録している。
このほか「オフィス」ソフトを手がけるビジネス部門も好調で、売り上げは同8%増の56億2200万ドルとなった。
マイクロソフトの主力事業はこの「ウィンドウズ」「サーバー」「ビジネス」の3部門で、全売上高に占める割合はそれぞれ28%、24%、32%。合計すると85%に上る。
マイクロソフトにはこのほか、ゲーム機やモバイル向けOSなどを手がける「エンターテインメント&デバイス」と検索エンジン「Bing(ビング)」などを手がける「オンラインサービス」という部門があるが、それぞれ売り上げは、19億6300万ドルと6億2500万ドルで、全売上高に占める割合は11%と4%と規模が小さい。