ここから恋愛の政治・経済学は第3章に入ります。第1章では、男女間で恋愛が行われる恋愛市場というものが存在している、その恋愛市場は年中無休で開いてはいるがかなり閉鎖的である、巨視的に見れば全国各地に無数に点在している、通常私たちは複数の恋愛市場に知らず知らずのうちに参加していることを述べました。
「恋愛の均衡説」とは何か
また恋愛関係とは、いずれは消滅してしまう恋愛感情を前提として、自分の資産価値を元手にできるだけ高く自分を売り買いしたい者同士が物々交換することである。
そうであるからこそ、効率的な恋愛市場ではだいたい魅力が同じくらいの者同士がカップルになる、ということを述べました。
第2章では、男性が持つ資産について解説しました。
先天的に持つ資産と後天的に持つ資産の2つがあり、女性という買い手にとっては両方とも重要です。
なぜなら、自分のお腹を痛めて出産し、出産後の子育ての主要な担い手となる女性にとっては、1人につき2~3年の間は動きが取れない母子に長期的に十分な経済的資源を供給してくれる男性を好きになるのは当然だからです。
さらに可視的資産+性格的資産を基本として、時間、エネルギー、お金の3つの原資をどう投資するのかが、恋愛・結婚に至る考え方になる旨述べつつ、投資すべきところは投資し、引くべきところは引くことを解説しました。
さて、ここからの第3章においては、第1章で若干触れた「恋愛均衡説」をより詳しく解説することにより、婚活術・モテ法を伝授します。恋愛・結婚の基本的考え方になるものですので、この仮説から学ぶことができる点も多々あるはずです。
投資にはそれに見合ったリターンがある
「恋愛均衡説」なるものをさらに詳しく述べる理由は、私たちの持つ恋愛資産価値(結婚資産、浮気資産を含む)とその売買について十分な理解なしには、この連載がそもそも成り立たないからです。
ソープランドや売買春といったように、女性との関係をお金で直接的に買ったり売ったりする市場もありますが、その場合はこちらが出すお金の額によって得られるものが決定されます。
事情通の男性ならうなずいてくれると思いますが、このような場所では買った商品に対して、残念ながら当てが外れたり、あるいは逆に掘り出し物があったりしますが、長期的に見ればだいたい投資したお金の額に比例して得られる商品との関係が推し量れるものです。
恋愛市場も、実は、このソープランドの市場原理とほとんど同じ機能をしています。