今年7月に新規株式公開(IPO)を申請し、今最も注目されているネット企業の1つとされるソーシャルゲームの米ジンガが、異例の記者発表イベントを開き、新戦略を打ち出した。
同社はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)米フェイスブックのサービス内でゲームを提供している企業。設立は2007年で本社は米サンフランシスコ。
2008年に1940万ドルだった売上高は、2009年には1億2100万ドル、2010年は5億9700万ドルと急拡大しており、アナリストの間でも「驚くべき成長率」と有望視されている。
自前のプラットフォームでゲームを提供
しかし同社のビジネスモデルを巡っては、収益のほぼすべてをフェイスブックに依存しており、他社の成功に支えられる事業には大きなリスクが伴うと指摘されていた。
そこでジンガは顧客と直接結びつくことを目指す「ジンガ・ダイレクト(Zynga Direct)」と呼ぶ戦略を打ち出した。この戦略のもと、同社のウェブサイト「Zynga.com」でゲームを提供するサービス「プロジェクトZ」を立ち上げる。
ユーザーは同社ウェブサイトやフェイスブック内で同一の専用ユーザー名を使いプロジェクトZのゲームに参加でき、ほかのユーザーと交流できるというわけだ。
同社サービスの月間ユーザー数は2億3000万人。そのうちの一部が、ゲーム内で使う仮想アイテムを購入しており、その代金が同社の全売上高の9割強を占めている。