米グーグルがレストランガイドブック「ザガット」を発行する米ザガット・サーベイを買収したと発表した。
グーグルがソフトウエアの技術やウェブのサービスを手がける企業を買収することはこれまでもあったが、こうした出版社を買収するのはまれなことだ。
その背景には、活況を呈する地域店舗サービスの市場があり、さらにそれがモバイルの分野へと領域を広げていることがあると言われている。
ユーザー生成コンテンツの先駆け
同社は買収金額や今後の事業展開について明らかしていないが、“グーグルの顔”として知られるマリッサ・メイヤー部門副社長は公式ブログで「ザガットの情報はユーザー生成コンテンツ(UGC)の先駆け」としており、今後グーグルの検索、地図サービスとザガットのコンテンツを統合していく見通しだ。
ザガット・サーベイの創業は1979年。当初、ティム/ニナ・ザガット夫妻の趣味としてニューヨーク市内のレストランガイドから始まったが、今では対象を世界100カ国以上に広げており、内容も、旅行、ホテル、劇場、映画など13の分野に拡大している。
ザガットは、専門の調査員が評価するミシュランガイドとは異なり、アンケート調査をもとに、料理、サービス、店舗の内装などを30段階で評価しているのが特徴。最近では、印刷版のほか、有料モバイルアプリケーション、有料会員制ウェブサイト、割引/特典クーポンサービスも展開している。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ザガットは今後もガイドブックの発行を続ける。120人の従業員もそのまま業務を継続するもようだ。