送られてきた郵便物の中に面白いものがあった。「IT企業を取り巻くリスクとソリューション」という文字が目に入る。AIU保険会社が新しく発売したIT事業専用賠償責任保険の案内だ。
○システム納品後の不具合で顧客から損害賠償請求をされたら・・・
○ウィルスや不正アクセスなどでアタックされ、システムが不具合をおこしたら・・・・
○積極的に事業を拡大していきたいが、それに伴って拡大するリスクが心配・・・
資料に載っている数々の謳い文句がこちらの胸に突き刺さってくる。
さらに、「貴社のニーズに合わせて、手厚い補償をお選びいただけます」とか「システム納品直後の事故にも対応」とか「保険期間の開始前に行った業務も補償の対象」「データの復元費用も補償」など、魅力的な言葉が踊っている。
ついにこのような保険が出る業界になったのか。心境は複雑である。同時に興味を持った。保険料はどれぐらいなのだろうか?
最初の見積もりミスが致命傷になることも
以前、システム開発にまつわる裁判の話をしたが、係争になるほとんどの理由が、ユーザー側とシステム開発側のコミュニケーション不足である(仕様追加についての合意の有無や、作業代金を巡るものが多い)。
「システムイニシアティブ」に関するコラムでは、ユーザーはシステム開発にもっと参加すべきだと述べた。別の回のコラムでは、納品後の不具合という瑕疵(かし)をなくすために、テストを十分にすべきだという話もした。