政府のエコポイント制度が導入されてから1カ月を迎えた。
エコポイントは、省エネ家電と地デジ対応テレビの普及などを目的として、2009年5月に政府が導入した制度である。5月15日から2010年3月末までに、統一省エネラベルで原則4つ星以上のエアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビを購入した場合に、商品券や地域産品、省エネ・環境配慮製品などの商品と交換できる「ポイント」が付与されるというもの。
省エネ家電や地デジ対応のテレビなどに対する意識の高まりもあり、また、家電販売店各社が売り上げ拡大へのきっかけにしようと積極的に取り組んでいることもあり、早くも申請件数が50万件を突破したという。実際に家電売り場に行くと、エコポイントの文字が大きく踊っている。
しかし、このエコポイントの制度はスタートから順調だったわけではない。ポイントの交換事業社の募集が開始になったのは今年6月1日。それから1カ月のうちに交換商品を決め、システムを構築して、商品交換の申請が7月1日から受け付けられた。
たった1カ月で業者の募集、選定、商品のリスト化、カタログ作成をするという、常識外れのスケジュール。いかにもバタバタとした状況の中、エコポイント事務局や交換する商品を提供する交換事業者は、休日返上で対応に追われた。
実は、弊社も全国の地域産品を提供(交換)する「交換事業者」の1つ。この6月は全国47都道府県から112点もの商品をかき集め、契約や商品カタログサイトの構築などに明け暮れた。終わってみれば、よくやれたとただただ感心。みなさんご苦労様でした。
消費者と交換事業者が感じる3つの戸惑い
さて、こうしたバタバタで始まったエコポイントの交換商品の中で、最も人気があるのは商品券(交換できる商品券の種類は非常に多い)である。商品券の人気が高いのはうなずけるが、実は地域産品も予想を上回る人気があり、交換数は予想以上に多いという。
実際に、弊社にも毎日コンスタントにかなりの数の交換の注文が舞い込んでおり、その数は徐々に増えてきている。ちなみに、一番人気は「種子島安納プリン&マンゴープリン5個セット」で、全注文数の約3割にあたる(種子島安納プリンは7月22日のコラムで紹介したもの)。ついで「霜降り米沢牛焼き肉セット」だ。
さて、エコポイントは7月1日から交換の申し込みが始まり、順調に滑り出したように見える。だが、通常のカタログ通販とは違い、消費者も交換事業者も戸惑うことが少なくない。例えば以下のような点だ。
(1)通常の通信販売とは違い、申し込んでから商品が届くまでに実に長い日数がかかっている。ネット通販なら、一般的には申し込んでから1週間以内に商品が届くことが多い。ところがエコポイント交換では、消費者が交換を申し込んでから3週間ほど後に注文データが業者に届く。それから発送なので、申し込んでから商品が届くまでおよそ1カ月ほどかかることになる。
これは、交換申請を申し込んできた人が、本当にエコポイントの対象商品を購入した人であるかを審査しなくてはならないからだ。つまり、交換申し込みの際に添付してもらった、購入した際の領収書やレシート、保証書などから、正規な申請であるかを調べているのだ。