米グーグルが、米フェイスブックに対抗する本格的なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を発表したことが話題になっている。「グーグル+(プラス)」と呼ぶサービスで、現在は少数のユーザーを対象に招待制で運用している。試験段階という位置付けで今のところサービス名には「プロジェクト」の文字が付いている。

コンセプトは「現実世界の人間関係の再現」

グーグル、SNS「グーグルプラス」を開始 フェイスブックに対抗

SNSでは後れを取ってきたグーグル。新サービスで巻き返しなるか?〔AFPBB News

 同社のSNSを巡っては、過去にプライバシー侵害問題で物議を醸したことがあるが、その苦い経験を踏まえ今度は慎重に事を進めていると米ニューヨーク・タイムズは伝えている。

 グーグルの説明によれば、新サービスのコンセプトは「現実世界の人間関係の再現」。家族、大学時代の友人、会社の上司など、普段共有する情報は相手によって変わるのが現実の社会。

 従来のSNSのように、すべての知人やウェブ全体に情報を発信するという方法では実社会を反映できず、そのことが様々な問題をもたらすとしている。そこで同社が取ったアプローチは、個々のグループごとに情報を共有できるようにしたことだと説明している。

 また、サービス全般にわたり、電話番号やメールアドレスといった個人情報の取り扱いをきめ細かく設定、選択できるようにした点も特徴だとし、同社サービスの優位性を強調している。

閲覧ページ数や滞在時間で後塵を拝す

 ウェブ検索では業界最大手を誇る同社だが、SNSの分野では苦戦しており、既にユーザー数が6億~7億人に上ったと言われるフェイスブックの後塵を拝している。

 市場調査会社の米コムスコアによると、今年5月にグーグルのサイトを訪れたユーザーの数は1億8000万人。これは傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」も含めた数だ。これに対しフェイスブックに訪れた人の数は1億5720万人とやや少ない。