米グーグルが同じ日にソーシャルサービスに関する2つの発表を行ったことが話題を呼んでいる。
1つは昨年2月、電子メールサービス「Gメール」に導入した「バズ(Buzz)」を巡るプライバシー侵害の問題で、これについて同社が米連邦取引委員会(FTC)と和解したという話。
もう1つは、検索サービス内に米フェイスブック(Facebook)に似た新サービスを導入したという話だ。新サービスも「バズ」と同様の問題をはらんでいるかもしれず、この2つが同じ日に発表されたことは奇妙なタイミングだと海外メディアが報じている。
今後20年にわたる第三者の監査
FTCとの和解では、グーグルは今後20年にわたり2年ごとに第三者の監査を受けることになる。また今後同様の行為があった場合、1件につき最大1万6000ドルの制裁金が科せられる。FTCはこの和解内容を5月初旬まで一般公開して意見を募り、最終判断を決めるとしている。成立すれば、FTCは初めてこのような包括的なプライバシー保護策を企業に義務づけることになる。
「バズ」は、Gメールのユーザーがメールサービスを利用しながらツイッター(Twitter)のような短いメッセージを投稿できる機能。しかし導入直後から、Gメールに登録してあるメールアドレスが許可なく公開されてしまったり、本名や居場所が公開されたりするといった苦情が相次いで物議を醸した。
これを受け、プライバシー擁護団体がFTCに調査を要請し、カナダやフランスなど10カ国の情報保護関連当局はグーグルに抗議の書簡を送った。
今回FTCが問題としたのは、グーグルが自社のプライバシー保護規定に違反していたという事実。今後サービス内で個人情報の利用に関して何らかの変更がある場合、その都度ユーザーの同意を求めるよう義務づけた。