中国・武漢市の住宅で核酸検査のために並ぶマスクをした住民(2020年5月17日、写真:ロイター/アフロ)

(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 ロックダウン解除後の中国で、新型コロナウイルスの感染者が再び増え始めた。

 4月8日に武漢市の都市封鎖が解除され、厳重なロックダウンに一区切りがついたものの、黒竜江省や吉林省など各地で新規感染者が続々と確認され、感染の第2波が懸念されている。

 入院していた感染者が全員退院した武漢市も、再び臨戦態勢に入った。都市封鎖解除から1カ月以上が過ぎた今、武漢はどうなっているのか。

ロックダウン解除後に団地でクラスター

 5月9日、武漢市東西湖区にある集合住宅地の三民小区で、89歳の男性が新型コロナウイルスの検査を行ったところ陽性であることが判明した。翌10日には、三民小区から相次いで5人の感染者が確認された。

 男性の妻(81歳)も感染していることから、夫婦は、同じ小区内に住む「武漢市外から来た無症状感染者」と接触し感染した疑いが高いとみられている。約5000人が住むこの集合住宅地は築年数も古く、その半数が外地から出稼ぎにきた労働者によって占められているという。