統一教会の韓鶴子総裁(写真:ロイター/アフロ)
(立花 志音:在韓ライター)
3月4日、東京高裁は世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に対する解散命令を支持する判断を示した。宗教法人に対する解散命令は極めて重い措置であり、この判決は日本社会にとっても大きな意味を持つ出来事である。
旧統一協会の周辺にいる人々の話を聞くと、しばしば「自分たちは左翼から攻撃されている」という言葉を耳にする。ただ、その時に彼らが語る「右翼」「左翼」という言葉は、日本の政治文脈で使われるそれよりも、韓国社会で語られる右派・左派の対立に近いものに感じる。
韓国では政治的立場の違いが、社会の多くの問題を説明する枠組みとして用いられる。宗教団体への批判であっても、それが右派か左派かという政治的対立の中で理解されることが少なくない。だから、韓国の右派も旧統一教会の人たちも、何か自分たちに都合の悪いことがあると、必ずと言っていいほど「左派が、左派が」と他人のせいにしていた。その違和感は既に皆さんに何度かお伝えしている。
日本における旧統一協会問題の本質は、単純なイデオロギー対立ではないように思える。その本質は、旧統一教会という宗教団体を通して、日本社会から集められた資金が韓国に流れるという構図が長年にわたって続いてきたところにある。
旧統一協会は長い間、日本人信者から多額の献金を集めてきたとされる。その金額は1980年代から「天文学的な額」と表現しても過言ではない。今回の裁判でも、東京高裁は信者らの不当な献金勧誘による被害は約40年間で少なくとも506人、計約74億円に上ると認定した。
そして、その資金が韓国の本部や関連事業に投入されてきたと言われている。