「左派が左派としての役割を果たした」
旧統一教会が宗教法人である以上、税制上の優遇を受けながら集められた献金が、海外へと流れてきたという現実もまた無視できない。信仰そのものと、資金の流れの問題は別である。
そして、もう一つ指摘しておきたいことがある。
第二次安倍政権以降、日本の左派勢力は長く低迷してきた。社民党は国政で存在感を失い、立憲民主党も政権交代の担い手としての勢いを持っているとは言いがたい。
本来、左派の政治思想は国家権力を監視し、国民の生活や財産を守る役割を担うものでもある。その意味で、今回の裁判を通じて「日本の富が海外に流出した」という資金の構造に司法のメスが入ったことは、左派が左派としての役割を果たしたと見ることもできるのではないだろうか。
そう考えると、今回の判決は宗教を裁いたものというよりも、日本社会から流出してきた財産の問題に、一つの歯止めをかけたという意味で、大きく評価できるのではないだろうか。長い間続いてきた「贖罪の経済学」は、ここで一つの終焉を迎えたのかもしれない。
立花 志音(たちばなしおん)
1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会った夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。