緑内障疑似体験シミュレーター。ホンダ関係者が使用する様子(写真:筆者撮影)
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ホンダが自社で様々なドライブ・シミュレーターを企画・開発・販売していることはあまり知られていない。直近では、「メガネのパリミキ」と連携して、「緑内障の早期発見につながるドライブシミュレーター」の体験型啓発イベントを3月8日から11日まで栃木県内のパリミキ小山店で開催する。そこでホンダのドライブシミュレーターの開発拠点を訪問し、各種シミュレーターを体験しながら、ホンダが目指す事業の方向性を確認した。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 埼玉県川越市内のとあるビルの一角に、ホンダの安全運転普及本部という看板を見つけた。

埼玉県川越市内にあるホンダの安全運転普及本部(写真:筆者撮影)

 関係者によると、以前は埼玉県狭山工場内に拠点があったが、2年前からここに移ったという。

 安全運転普及本部の歴史は長い。

 1970年に正式に発足しているが、活動としては1962年に開業した日本初の国際格式レース場「鈴鹿サーキット」で、1964年10月にサーキット内の安全運転講習所(現:鈴鹿サーキット交通教育センター)を使った白バイやパトカーの運転技術指導が始まっている。名神高速道路の開通に合わせて警察関係者の運転技術を向上させる必要があったのだ。

 その後、1980年代の小型二輪車(原動機付自転車)ブームなどもあり、四輪車を含めて広い世代の男女を対象とした参加体験型の実践教育プログラムを拡充させ、1990年代に入ると効果的な安全運転教育ソフトの開発を進める。

 そうした経緯の中で、二輪車のライディングシミュレーターや四輪車のドライブシミュレーターの自社開発が始まった。

二輪車のライディングシミュレーター(写真:筆者撮影)

 二輪車には教習所向けと警察用、また四輪車では教習所向け、販売会社向け、そして医療機関向けなどがあり、現在5機種のシミュレーターを販売している。

 仕様によって価格の幅があるが、数百万円単位が主体。2025年12月末時点で累計約3100台の販売実績がある。

 2025年度の販売構成比を見ると、医療機関向けが約55%(累計500台以上)と、教習所向けなどを若干上回る。