安全運転普及本部の内部(写真:筆者撮影)
対向車線のクルマがいきなり消える?
走行する場所は比較的交通量が少ない都市部といったイメージ。最初は片側2車線道路で最高速度50km/hに設定されている。
まず驚いたのは、対向車線に停止している複数のクルマの姿がいきなり消えたり、また見えたりすることだ。
その上で、対向車線からの右折車が視界の中にいきなり出現するから驚きだ。
また、信号機も視界から消えたり見えたりする。
さらに進むと、最高速度30km/hで中央線がない細い道路を進む。すると左右の道路からトラックやマンションの1階部分から電動車椅子が視界の中にいきなり出てくる。
最高速度30km/hを維持していると衝突が回避できないシチュエーションもあった。そのため、速度をさらに下げながらかなり慎重に走行を続けることで、なんとか衝突事故に遭わなかった。
試験のルーティーンを終えた後、今度は同じルートを走行する他の人の様子を上下2つのモニターを見ながら比較した。
すると、先ほどはかなり少ないと思っていた交通量だったが、そこそこの数のクルマが走っていることに気づく。さらに、左右から出てくるクルマ、自転車、歩行者、電動車椅子の存在がかなり前から確認できていることが分かる。
また、シミュレーター体験者の目の動きをアイトラッカーで常時測定しており、その様子を赤い丸印で示している。突然、目の前に様々な交通参加者が出現することを予測して、視点移動をかなり広範囲に速めて見ていることも分かる。
ホンダは、視点に応じてリアルタイムで緑内障視野を擬似的に再現しているのだ。
その上で、「あー危ない!」とこちらが思っても、シミュレーター体験者は危険が近づいていることにまったく気がつかないことが多々あった。